営業時間:AM10時からPM6時 定休・土日祝日
このサイトをお気に入りに追加
離婚後も、一定の要件を満たせば、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができます。
ですが、離婚時に借り換えができないと、なかなか難しい部分もありますので、返済計画には十分注意しましょう。
「当然、住宅ローン控除は受けられるはず」という前提で考えていると、思わぬ結果となる場合があります。
住宅ローン控除の要件とあわせて整理しますと、離婚の際に注意すべきポイントとは、下記5点でしょう。
要件1.ローンの名義人が居住していること
住宅ローン控除は、ローンを組んでいる方が自宅として住んでいる住宅が対象となります。つまり、ローンを組んでいる方が自宅を出ていく形の離婚では、住宅ローン控除は受けられません。
逆に、「ローンを組んでいる夫が、離婚後もそのまま自宅に住む」という場合などは、この要件は問題ないでしょう。
また、「自宅に残る妻の名義で、住宅ローンを借り換える」という場合も、妻が控除を受けることができます。
要件2.10年以上のローンであること
住宅ローンは、返済期間が10年以上のものでなければ、控除の対象となりません。
ですので、ローンの借り換えなどで返済期間が10年未満となる場合、その部分については控除を受けることが出来なくなります。
要件3.新築から25年(耐火建築物でなければ20年)以内であること
これも、借り換えをする場合に注意が必要です。
この25年(または20年)は、「住宅を取得した日以前、25年(または20年)以内に建築されたかどうか」が基準になります。
つまり、「離婚によって、自宅の所有権を手にした日」からさかのぼって、25年または20年以内に建築された建物でなければ、控除は受けられません。
要件4.夫婦間での譲渡でないこと
法律上、控除の要件の一つとして、「取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと」という定めがあります。
つまり、離婚届を出す前に(=まだ夫婦である時期に)夫から妻、または妻から夫へ自宅の所有権が移った場合は、控除が受けられない、ということです。
この要件をクリアするために、自宅の所有権の移転は、離婚が成立した後に行うのが望ましいでしょう。
要件5.贈与による取得でないこと
離婚時の「財産分与」であれば問題ないのですが、財産分与ではなく、「贈与」によって所有権が移った場合、控除が受けられません。
財産分与で所有権が移ったことを説明できるように、離婚公正証書を作成しておくのが望ましいでしょう。
——————————————————————————–
上記の他にも要件はありますので、詳しくは所轄の税務署にも相談しておきましょう。
住宅ローン控除についてお悩みなら、お気軽に無料メール相談をご利用ください。
「離婚にともなう自宅の財産分与で、夫の共有持分をすべてもらったが、残った住宅ローンは妻の名義で返済する」 という場合の住宅ローン控除の取り扱いが、平成21年に変わりました。
この変更で、最大で過去5年分の所得税が戻ってくる可能性がありますので、心当たりのある方はぜひ確認されることをおすすめします。
(もちろん、「夫が妻の共有部分をもらった場合」も同様の扱いです)
■平成21年2月以前は・・・
例えば、共有持分で「夫と妻がそれぞれ2分の1ずつの所有権を持っていた不動産」を、離婚に伴う財産分与によって、夫の持分が妻に与えられ、そのまま妻がその自宅に住み続けている場合を例にとります。
財産分与により、不動産の所有権はすべて妻のもの(2分の1+2分の1) となっているわけですが、「もともと妻が所有していた2分の1の持分」と「離婚にあたり夫から受け取った2分の1の持分」が それぞれ“別々の住宅” とみなされ、そのどちらか一方にしか住宅ローン控除を適用できない、というのが平成21年までの取扱いでした。
つまり、実際は一つの不動産でありながら、それぞれの持分の取得時期が「不動産を購入したとき」と「離婚したとき」と違っていることで、“2つの住宅を持っている”とされてきたのです。
その結果、残った住宅ローンを妻が払い続けていたとしても、「もともと妻が所有していた2分の1の持分」か、または「離婚にあたり夫から受け取った2分の1の持分」か、どちらかにしか住宅ローン控除の適用を受けることができませんでした。
■平成21年2月以降は・・・
ですが、平成21年2月20日の国税不服審判所の裁決により、上記のようなケースでも 「住宅を2つ持っていることにはならない」 という判断が下されました。
その結果、国税庁も 「当初から保有していた共有持分と追加取得した共有持分のいずれについても、住宅借入金等特別控除が適用されるよう取扱いを改める」こととしました。
つまり、「もともと妻が所有していた2分の1の持分」と「離婚にあたり夫から受け取った2分の1の持分」の、両方の持分に対して住宅ローン控除が適用されるようになったのです。
(まあ、至極あたりまえの結果が出たといえるでしょう)
■ 過去5年分の所得税の還付
このように国税庁の取扱いが改められたことにより、これからの住宅ローン控除額が増える場合があるだけでなく、過去5年分の所得税について減額を受けられる可能性があります。
この所得税の減額は、既に確定申告を提出をしている年分についても、所轄の税務署に「更正の請求」をすることにより受けることができます。
ですが、この「更正の請求」をすることができるのは、この取扱の変更を知った日から2ヶ月以内とされますので注意が必要です。
また、確定申告をしていない年分については、その年の翌年1月1日から5年間、還付申告をすることにより所得税の減額が受けられます。
住宅ローン控除についてお悩みなら、お気軽に無料メール相談をご利用ください。
![]() |
![]() |
『先生、本当にありがとうございました。
何度もあきらめかけたマイホームでしたが、今後も子供たちと暮らしていける目途が立ちました…』(東京都・30代・女性)
もっと読む
■代表・行政書士 川上 俊明
1974年
北海道出身
詳しいプロフィールはコチラ
■事務所
〒359-1106
埼玉県所沢市東狭山ヶ丘2-2979-3
プランヴェール狭山ヶ丘303
(地図はコチラ)
TEL/FAX 04-2936-9456
E-MAIL info@asu1.net
営業時間:AM10時からPM6時
(定休・土日祝日)